2010 Fiscal Year Annual Research Report
清初以降の清代詩経学における思想的連続性に関する研究
Project/Area Number |
21720025
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
江尻 徹誠 北海道大学, 大学院・文学研究科, 専門研究員 (80528232)
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Keywords | 清代思想史 / 詩経解釈史 / 詩経学 |
Research Abstract |
平成二十二年度の研究実績は、下記(項目11)の通りである。本研究計画の目的は「これまで解明されていない清初から清末に到る詩経学における思想史上の動線を明らかにすること」であり、当該年度の実施計画として以下の点を掲げていた。 (1)顧炎武及び閻若〓ら、清初の諸学者の詩経学について考察し、それぞれの特色と後世への影響を整理するとともに、清初詩経学が持つ学術的多様性を明らかにする。 (2)恵棟・王昶・銭大〓・翁方綱・陳奐・胡承〓・戴震ら、乾嘉期を代表する学者たちの詩経学を整理すると共に、彼らの著作から清初詩経学に対する評価を可能な限り収集する。 これは申請時に提示した目標:「清初詩経学における諸学説とその特色に留意して、清初以降の詩経学者と『詩経』研究書に検討を加え、清初詩経学の学術的成果がどのように引き継がれているか、その経路と展開を明らかにする」ために必要とされる研究であるが、前年度における研究成果にて達成しえた部分がある。そこで本年度は本研究の国際化を進めるべく、前年度末に出版した単著『陳啓源の詩経学-『毛詩稽古編』研究』の翻訳出版を準備しつつ、次年度の研究に関連する清朝乾嘉期以降の詩経学について考察を加えた。遺憾ながら翻訳出版は完遂できず、次年度の事業として作業を継続する。後者に関しては乾嘉期の諸学者に関する研究の蓄積がある台湾の詩経学とその成果から示唆を得るべく資料をまとめ、学会発表を行った。
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