2010 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカのイスラーム教徒によるクルアーン(コーラン)解釈:諸潮流と相関関係
Project/Area Number |
21720029
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
大川 玲子 明治学院大学, 国際学部, 准教授 (50434189)
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Keywords | イスラム / イスラーム / ムスリム / クルアーン / コーラン / 聖典解釈 / アミーナ・ワドゥード |
Research Abstract |
本研究は主に、現代のアメリカで活躍する3人の女性イスラーム教徒(ムスリム)のクルアーン解釈に焦点を当てるものである。現在、その解釈諸潮流について、かつての状況をふまえつつ分析し、さらにそれらの関係性(批判・共感・展開など)を明らかにしようと取り組んでいるとことである。最終的には、改宗者や移民からなるアメリカのイスラーム教徒によるクルアーン解釈の特性を解明することを目指している。 本年度は以下のような研究活動を行い、成果を得ることができた。本研究の中心的な解釈者であるアミーナ・ワドゥードの解釈理論への理解を深めるため、パキスタン系移民のアスマ・バルラスや、カリブ諸国出身のアフリカ系移民であるビラール・フィリッピスのクルアーン解釈書との比較を行った。さらに、中東のアラブ人によるクルアーン解釈との比較も開始した。特にここではワドゥードが積極的に依拠している、エジプトのイスラーム主義者サイイド・クトゥブを対象とし、フェミニストであるワドゥードとイスラーム主義者であるクトゥブの異同を分析しているところである。 同時に、アメリカにおけるイスラームに関する資料を収集した。学術文献に加え、DVDなどのオーディオ資料や、コミュニティー雑誌なども調査収集の対象としている。また、ロサンゼルスとハワイに調査出張を行った。そこで多くのインタヴューを行い、ムスリム・コミュニティー内でのクルアーン解釈の現状・位置づけについて興味深い情報を得ることができた。
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