2011 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカのイスラーム教徒によるクルアーン(コーラン)解釈:諸潮流と相関関係
Project/Area Number |
21720029
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
大川 玲子 明治学院大学, 国際学部, 准教授 (50434189)
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Keywords | イスラーム / コーラン / クルアーン / アメリカ / ムスリム |
Research Abstract |
本研究は主に、現代のアメリカで活躍する3人の女性イスラーム教徒(ムメリム)のクルアーン解釈に焦点を当てるものである。現在、その解釈諸潮流について、かつての状況をふまえつつ分析し、さらにそれらの関係性(批判・共感・展開など)を明らかにしようと取り組んでいるとことである。最終的には、改宗者や移民からなるアメリカのイスラーム教徒によるクルアーン解釈の特性を解明することを目指している。 本年度は以下のような研究活動を行い、成果を得ることができた。本研究の中心的な解釈者であるアミーナ・ワドゥードの解釈理論への理解を深めるため、シリア出身移民のバラザンギや南アフリカ出身のファリド・イサクのクルアーン解釈書との比較を行っている。さらにアラブ圏出身ムスリムの解釈との比較のために、ナセル・アブー・ザイドやムスタファー・マフムード、ビント・シャーティなどの解釈書も対象にしつつ、アラビア語とクルアーン解釈の関係についての分析を続けている。 これらの研究を踏まえ、現時点では、クルアーン解釈者の資格・権威をムスリム社会がどうとらえているのか、近代以降どう変化しているのか、とういテーマに収斂させて、今後の研究を続けているという目途がたっている。 また2011年11月にロンドン大学SOASで開催されたThe Qur'an : Text, Scciety & Culture学会に参加し、さらにロンドン中心地と郊外のムスリム地区2か所の視察を行った。同時に関連資料収集も積極的に継続し、文献のみならずウェブ上の情報収集も進みつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目を終え、着地点が見えてきたとうことから、順調に進展していると考えている。ただ、発表の状況が予定通りではない点を課題と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
発表の場・機会が現在ほぼ定まっているので、2年目で発表できなかった事柄を3年目以降、積極的に公表することにしたいと計画している。
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