2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720034
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Research Institution | Okinawa Prefectural University of Arts |
Principal Investigator |
喜屋武 盛也 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 准教授 (10345241)
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Keywords | カッシーラー / 空間 / 象徴形式 |
Research Abstract |
最終年度となる本年は、これまでの調査・研究のとりまとめに努めた。それらを集約し、本研究の総括的な内容となる論文の執筆を進めて、23年度の大学の研究紀要に投稿する予定であったが、急病により執筆作業の中断を余儀なくされたため、今年度の投稿期限に間に合わせることができなくなった。やむを得ず、論文は次の24年度の紀要に投稿する予定である。空間の問題は、実体概念に対して関数概念を提唱するうえで大きな手がかりを与えたが、その後も一貫して、重要な思考の手がかりとなっていた。すなわち、認識論を文化哲学へと拡張するに際しても、空間概念が様々な形式において現われる多様な姿をとらえることが試みられている。 加えて記すべきこととして、3月14日に沖縄県立芸術大学において「カッシーラー研究の現在」と称する研究集会(小コロキウム)を開催したことが挙げられる。発表者として、これまでカッシーラーについての論考を多く著してきた森淑仁氏、最近カッシーラーについての著作を刊行した馬原潤二氏と齊藤伸氏を招いて、カッシーラー研究の現状と課題について討議した。最初に喜屋武が「カッシーラー研究の現状と課題」と題して問題提起を行い、そのあと、齊藤氏と馬原氏が、それぞれの近著をもとに発表を行い、討議を重ねた。最後に森氏による総括的な発表が行われた。かような研究集会が何らかの形で今後も継続して行われるべきであることについて、参加者のあいだで一致をみた。そのような場を生み出すきっかけを作り出したことが、本研究の間接的な成果である。
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