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2009 Fiscal Year Annual Research Report

『映画史』以降の地平からのジャン=リュック・ゴダール作品の再解釈の試み

Research Project

Project/Area Number 21720060
Research InstitutionKansai University

Principal Investigator

堀 潤之  Kansai University, 文学部, 准教授 (80388412)

Keywords映画研究 / 表象文化論 / ゴダール / 歴史と記憶 / 映画と写真
Research Abstract

平成21年度には、研究実施計画の通り、ゴダールの『映画史』以降の作品の分析を随時進めながら、旧作の再読、および歴史と記憶のテーマをめぐる他の映像作家による作品との比較考察に着手した。その作業の成果の一つとして、綿密な『映画史』論やクロード・ランズマンの『ショアー』と表象不可能性をめぐる論考を含むジャック・ランシエールの書籍Le Destin des images(Paris : La Fabrique, 2003)の邦訳を刊行することができた(平凡社、2010年3月刊行)。本書全体の射程は本研究のスコープをはるかに超えるものだが、ランシエールの発想の根底にある表象的体制と美学的体制の区別という考え方は、ゴダールやランズマンらの作品における歴史や記憶の取り扱い方をより広範なコンテクストから見定めるためにも大変有益であると言える。
他の成果としては、旧作の再読作業の一環として、ロベール・ブレッソンの『田舎司祭の日記』(1953)以降のフランス映画における文学と映画の関係性をアンドレ・バザンの「不純な映画」という発想を軸に再考したほか(「映画的不純性に向けて―ヌーヴェル・ヴァーグと「脚色」の問題」)、映画と写真の取り結ぶ関係性というより広範な観点から、ゴダールだけでなく、エリック・ロンドピエールやジョン・ステザカーの写真作品や、セルジュ・ダネーの「画面停止」論の分析を行い(「映画にとって写真とは何か」)、さらにコンピュータによる諸メディアの収斂という1990年代以降の視聴覚メディア環境を批判的に考察するための発表「間メディウム性の系譜学」を行った。

  • Research Products

    (6 results)

All 2010 2009 Other

All Journal Article (3 results) Presentation (1 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 映画にとって写真とは何か<4>「映像の停止」をめぐる覚え書き2010

    • Author(s)
      堀潤之
    • Journal Title

      写真空間 第4号(印刷中)

  • [Journal Article] 映画にとって写真とは何か<3>スチル写真とフォトグラム2009

    • Author(s)
      堀潤之
    • Journal Title

      写真空間 第3号

      Pages: 127-136

  • [Journal Article] 映画的不純性に向けて―ヌーヴェル・ヴァーグと「脚色」の問題2009

    • Author(s)
      堀潤之
    • Journal Title

      『研究叢書』062号、「映画におけるイメージとテクストの関係について―ドイツとフランスのニューシネマを例に―」(渋谷哲也編) 062号

      Pages: 65-80

  • [Presentation] 間メディウム性の系譜学2009

    • Author(s)
      堀潤之
    • Organizer
      表象文化論学会
    • Place of Presentation
      東京大学
    • Year and Date
      2009-07-05
  • [Book] イメージの運命2010

    • Author(s)
      ジャック・ランシエール、堀潤之訳
    • Total Pages
      197
    • Publisher
      平凡社
  • [Remarks]

    • URL

      http://d.hatena.ne.jp/tricheur/20100111

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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