2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720062
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Research Institution | 宝塚大学 |
Principal Investigator |
渡邉 哲意 宝塚大学, 東京メディア・コンテンツ学部, 准教授 (00412073)
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Keywords | 芸術諸学 / 芸術学 / 空間演出 / 音楽興行 / 感性 |
Research Abstract |
23年度の研究は「芸術空間における映像について、日本での映像投射による表現検証」「中国と日本の若者を対象としたライブ空間における演出についての継続意識調査と分析」「中国における大規模コンサート会場での演出参加と現状調査」の3点について行った。映像演出の表現検証では、前年度から継続してプロジェクター複数台を用いて抽象的な映像を投射。観客の反応等の結果から空間を構成する映像演出の感性的立証を得た6継続意識調査では、中国・杭州の浙江大学の協力を得て約50名の音楽愛好者を対象にライブでの演出に関するアンケートを行った。このアンケートでは昨年度の音楽学校へ通う学生とは異なり、一般大学に通う若者を対象とし、ライブに求めるものや、表現手法についてどのように思うかを5段階評価で回答してもらう方式とした。中国でライブに対する一般の若者と音楽学校に通う若者の考え方の共通点と相違点を明らかにし、中国におけるライブ演出の方向性を明らかにした。9月には北京・工人体育館で行われた大型コンサートイベントに参加し、空間の演出方法について実践を行なうと同時に現在の中国での空間演出の現状を調査した。1月には前年度からの研究調査結果を道具学会研究発表フォーラムにおいて「ライブハウスでの演出:中国と日本の鑑賞者の意識の違い」として日本と中国の若者における音楽ライブに対する意識の違いについて口頭発表を行った。この発表では日本と中国の若者が求めるライブ演出についての相違点、共通点を明らかにし、双方に求められる演出の方向性を明らかにした。研究実施計画にある研究協力と実施については、東日本大震災の影響で研究室機材の破損、復旧や社会情勢により縮小したが、演出実践や調査分析により日中双方の空間演出に対する需要や方向性を明らかにできたことは、今後の音楽興行に関わる表現分野での方向性を示す良い例となると考える。
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