2009 Fiscal Year Annual Research Report
江戸時代の養生論の現代的意義に関する研究-国学者の養生論における養生と教養の関係
Project/Area Number |
21720066
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
趙 菁 Kanazawa University, 外国語教育研究センター, 准教授 (50345641)
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Keywords | 江戸時代 / 国学者 / 養生論 / 鈴木朖 |
Research Abstract |
国内外において、江戸時代の儒者、蘭学者、医師の養生論については多数論じられているが、国学者の養生論に関する考察、さらには藩校教育と養生論のかかわりに関する研究は見当たらない。本研究は、総合的な養生論研究への方法論を提起するとともに、養生論研究の現代的意義を明確にするものである。養生論の最盛期は文化、文政、天保期で、江戸開幕以降、明治改元までに刊行された養生論はおよそ130篇と推定される。この130篇の養生論の中で現在入手、または閲覧できるものは70ぐらいといわれる。応募者は平成21年度において、鈴木朖の「続養生要論』の活字化、内容分析を行いながら、江戸時代の養生に関するこれらの書物、そして当時及び現在に至るまでの関連文献・資料・研究論文の集中的・体系的収集を行った.1 資料の体系的・集中的な収集 鈴木朖の養生に関する著書『養生要論』『続養生要論』を中心に、活字化し、分析を行った。特に『続養生要論』の活字化をほぼ完成し、現在、再度チャックしている段階である。また、他の養生論と比較対照するために、江戸時代の養生に関する書物、当時から現在に至るまでの関連文献・資料・研究論文の収集、精読に努めた。2 資料の整理・統括と書誌の作成 収集した資料は整理・統括して資料集・書誌の作成を行った。3 資料の精読・考察 収集した資料や作品の精読を行った。精読の際に、以下の点を主要な着眼点とした。○養生論の著者の学問的背景、社会的背景、養生を論じる視点。○養生論の内容が著者の倫理観、道徳観、学問観や教育観などをどのように表しているか。4 論文の作成・投稿 平成21年度は『続養生要論』の活字化に主に時間をかけていたので、論文投稿をしなかったが、来年度にできるだけ多く投稿するように努力する。
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