• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2009 Fiscal Year Annual Research Report

日本近代文学の「家庭」表象において境界的存在(女中・妾・不良)が果たす機能の研究

Research Project

Project/Area Number 21720070
Research InstitutionTsuru University

Principal Investigator

古川 裕佳  Tsuru University, 文学部, 准教授 (80405076)

Keywords日本近代文学 / 女中 / 白樺
Research Abstract

大正期の「家庭」イデオロギー的なものからの逸脱が主人公と主人公と関係する女性達にどのような意味を持っているのかを考察した。家庭イデオロギーを支える女性規範について、『婦人公論』など20世紀前半の日本の婦人問題を幅広く捉えようとした雑誌の調査を行った。
まず『白樺』についての調査研究と、また家庭の逸脱者というテーマについての調査研究を行い、彼らの作品に現れた逸脱の様相について考察した。志賀直哉や里見〓といったブルジョワ作家の作品において、主人公の逸脱の舞台は「家庭」である。
また当時の「女中」をめぐる婦人雑誌などの言説について調査した。とくに『婦人公論』で主婦の家庭運営における女中の扱いについて繰り返し特集されている点に注目した。それをふまえて、小説の「女中」と婦人雑誌の言説との差異と相同性を検証した。
上記の研究については、以下の形で公表した。
「女中という装置-志賀直哉・里見〓・佐藤春夫」『国文学論考』46号、2010年3月
このような逸脱が性的な問題における逸脱であるということをふまえ、性についての言説研究を行う研究会に参加し、討議・報告を行った。その上で雑誌『白樺』を調査し、男性作家によって描かれた男性主人公の抱える問題と家庭イデオロギーがどのように関係していたかについて考察し上記論文としてまとめた。「家庭」イデオロギーの中で家族と他人の中間的な存在であった「女中」の表象が「家」制度との関連ではどのように変容するのかを具体的な作品に即して考察したものである。

  • Research Products

    (1 results)

All 2010

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 女中という装置-志賀直哉「大津順吉」・里見〓「君と私と」・佐藤春夫「或る男の話」-2010

    • Author(s)
      古川裕佳
    • Journal Title

      国文学論考 46

      Pages: 1-16

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi