2010 Fiscal Year Annual Research Report
魔術的リアリズムの表象研究―ポストモダニズム、ポスト植民地主義、アメリカニズム
Project/Area Number |
21720090
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
山口 和彦 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20361214)
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Keywords | 魔術的リアリズム / ポストモダン小説 / 現代アメリカ小説 |
Research Abstract |
本研究の大枠は、文学・美術・映画分野をはじめとする文芸諸ジャンルにまたがる表現様式である「魔術的リアリズム」を、「ポストモダニズム」「ポスト植民地主義」「アメリカニズム」および「グローバリズム」との関連において考察することである。H22年度は、H21年度に引き続き、関連資料を広範に入手すること、さらには中間的成果として、学会での口頭発表、および学術論文として発表することを目標とした。前者については、文学関係にとどまらず、美術関係の資料や映像資料を幅広く収集した。後者に関しては、前年度より準備を進めた米国比較文学会における研究発表「Confronting the National History in the Post-Cold War Context:"Heterogeneous Space" in Haruki Murakami's Fiction」として結実した。これは村上春樹の小説における暴力と倫理的主体の表象の問題を、グローバリズムやポスト植民地主義的見地から考察したものである。"Nations are notions":Literary Materiality and the 20^<th> Century Nation Stateというセッションに組み入れられ、多くの研究者と活発な議論を交わすことができた。また、魔術的リアリズムと密接に関連するファンタジーや反リアリズム的モードについてのシンポジウム「アメリカン・ロマンスの系譜」を所属するサウンディングズ英語英米文学会において企画立案し、翌年度に開催することとなった。
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Research Products
(1 results)