2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720091
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
小澤 英実 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (00466913)
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Keywords | 英米文学 / 身体論 / パフォーマンス |
Research Abstract |
本年度上半期は勤務校の都合により北京に滞在することになったため、Beijing Modern Dance Festivalを中心に中国政府により招聘された英米のダンス・カンパニーや、英米のポストモダンダンスを吸収し独自のものとして発展した中国のコンテンポラリー・ダンスと舞踊の現状を調査し、その結果、日米の前衛演劇・パフォーマンスにおける身体制御を相対化する枠組みを得ることができたことには大きな意義があった。下半期は日米の前衛演劇における身体のリアリティを措定するという研究目的を踏まえ、昨年度から継続している60年代のアメリカ前衛芸術にかんする文献精読・資料収集をコンテンポラリー・ダンスの文脈を中心に行なったほか、東京を拠点に活動するアーティストおよび制作者数名に対し、俳優の身体に対する意識について個別のインタビューを行なった。2007年より継続的に進化している長期プロジェクトである日米共同制作作品『DOE2.0』に翻訳者として関わりつつ、その創作のプロセスや異文化交渉を参与観察したほか、フェスティバル・トーキョーおよび国際舞台芸術ミーティングにて日米のカンパニーやフェスティヴァルディレクターと日本のパフォーマンスにおける身体運用の特徴を討議し、欧米の演劇研究者とは同内容についての研究会を行なった。本研究の成果の一部は、シェイクスピア『マクベス』におけるマクベス夫人にスポットをあて、女性身体と衣服とジェンダーの性役割の関係を問い直したミズノオト・カンパニーの作品『アンセックス・ミー・ヒア』でドラマトゥルグを担当したことを通して作品に反映されているが、活字および口頭における成果発表を現在準備中である。
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