2011 Fiscal Year Annual Research Report
マーク・トウェイン文学とニューメディアの関連についての研究
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21720095
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
辻 和彦 近畿大学, 文芸学部, 教授 (70345669)
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Keywords | 英米文学 / 文化研究 / 社会研究 / 西洋古典 / 歴史 / ポスト植民地主義 |
Research Abstract |
本研究計画は、十九世紀アメリカ作家マーク・トウェイン{Mark Twain,1835-1910)と、彼が生き、執筆活動、講演活動などを続けたその時代におけるニューメディアとの関わりを、多様な観点から再検討し、また周辺の文化、政治、歴史状況なども視野に入れつつ、彼の文学の再定義付けを行なうものである。本年度においては、研究計画の後半に入ったということもあり、インプットよりもアウトプットを意識した研究設計を心掛けた。 学会発表では、第50回日本アメリカ文学会全国大会シンポジア『あめりか・いきものがたり-動物表象をめぐって』(関西大学,2011年10月9日)にて講師として紹聘され、「マーク・トウェインと犬を巡る言説について」というタイトルで、本研究の成果の一部を口頭発表した。また雑誌投稿としては、日本マーク・トウェイン協会『マーク・トウェイン-研究と批評」第10号にて、前年度当学会国際フォーラムで発表した内容を中心にまとめ、「ホワイト・ライト/ホワイト・スノウ」というタイトルで発表した。 「研究の目的」などで拘った「ニューメディア」とトウェインとの関わりは、実に多方面に渡り、集約的な意味付けを行うのは困難な作業であるが、資料の精査により、徐々に一定の見通しが立ち始めている。同時にコンピュータ機器類をこのような文学研究にどのように効果的に使用するかという方法論の構築も、本年度には着実に進展した。これまで蓄積した個々の論をまとめ、総合的なとりまとめ作業に入る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究交流サイト運営などの研究環境の基盤維持は問題なく進行しており、また上述したように研究成果発表も順調に進展している。予測を越えるような劇的な学問的発見には至っていないが、この三年間で地道に築き上げたものは着実に来年度以降の本格的かつ全体的な研究成果発表に繋がっていると考えられるので、上記のような自己評価となった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度中には二冊の著書著著)と、一回の口頭発表にて、この計画の成果の一部を発表することが決まっており、研究計画年度の後半で成果を積極的に発表していくという当初の目的は、おおよそ達成できていると思う。とはいえ来年度は最絡年度であり、最後の研究調査旅行を成功させ、最終的には一冊の著書(単著)で四年に渡る本研究成果をまとめて世に出すことができるように、全力を投じるつもりである。
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