2010 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカにおける創作科と文学批評理論の関係について
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21720100
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉田 恭子 慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (90338244)
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Keywords | アメリカ文学 / クリエイティヴ・ライティング |
Research Abstract |
今年度の研究は4年計画の2年目に当たる。7月、名古屋南山大学の夏期セミナーでは、現代アメリカの政治・文化状況についての勉強と意見交換の機会があり、現代文学理論の側面からクリエイティヴ・ライティング・プログラムの状況を検証する機会となった。10月には、アメリカ文学会関西支部の例会でシンポジアムに参加し、2000年代のアメリカ小説を展望するとともに、現代小説がクリエイティヴ・ライティング・プログラムおよびアメリカ文学の担い手の多国籍化について意見をまとめるきらかけとなった。10月末には、米国ブラウン大学のフォレスト・ガンダー教授および早稲田大学のフランク・ヴィラン准教授を招聘し、「言語を横断する詩の試み」と題して、詩人野村喜和夫、中保佐和子、永井真理子氏らとともに朗読会と交流会を行った。ガンダー教授は現代詩人協会で現代詩の創作における翻訳の役割について講演を行い、研究代表者はこのときの発表を翻訳し、解説を付して「現代詩手帖』に発表した。11月はじめには、三田文学会のシンポジウムで外国文学あるいは外国語が日本文学の創作・発展に果たす役割をアメリカ文学研究の成果もとりいれ考察する発表を行った。シンポジウムではフランス現代文学についても同様に書き手の多様化・多文化化が指摘された。三田文学会での発表は後日『三田文学』に掲載された。以上、今年度は理論や実践双方の面における学習と、クリエイティヴ・ライティングについてアメリカ現代小説、日本近代文学の側面から発表する機会に恵まれた。
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