2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720104
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
塚田 幸光 関西学院大学, 法学部, 准教授 (40513908)
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Keywords | ヘミングウェイ / プロパガンダ / 視覚文化 / 映画 / 表象 |
Research Abstract |
本研究では、アーネスト・ヘミングウェイの文学と彼を取り巻く1930年代を軸に、モダニズム/ファシズムのメディア政治学に関する考察を行った。 ヘミングウェイ研究に関しては、米国ボストンのケネディ図書館(ヘミングウェイ・ルーム)で、一次資料のリサーチを行った。スペイン内乱から第二次世界大戦にかけての書簡やジャーナル、マニュスクリプト等、書籍出版されていない資料を精査した。この成果は、2011年10.月のアメリカ文学会全国大会で発表予定である。また、2010年10月、文学環境学会の韓日合同シンポジウムで、ヘミングウェイ文学における身体と狩りの政治学について、1930年代から50年代への変化とポストコロニアルな状況との関わりから論じた。12月には、ヘミングウェイ協会全国大会シンポジウム「ヘミングウェイと映画」で、司会兼講師を務めた。ここでは、ヘミングウェイと彼の同時代のメディア的状況との関わりを「視覚」と「フレーム」をキーワードに論じた。 一方、メディアに関する成果は、『映画とネイション』(ミネルヴァ書房、2010年)に寄稿した論文「ナショナル/ファミリー・ポートレイト-『パリ、テキサス』とロード・ムーヴィーの政治学-」がある。本稿は、アメリカン・ドリームの政治学に関する考察であり、ナショナル/ファミリー・イメージが如何にアメリカの欲望を映し出すかに焦点を当てた。 このように、ヘミングウェイ文学と文化、或いは映像文化論の視座から、ジャンル横断的な考察を行い、メディアの政治学を論じた。
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Research Products
(7 results)