• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2010 Fiscal Year Annual Research Report

十八世紀フランスの思想と文学の相関関係

Research Project

Project/Area Number 21720108
Research InstitutionUtsunomiya University

Principal Investigator

田口 卓臣  宇都宮大学, 国際学部, 講師 (60515881)

Keywords仏文学 / 十八世紀 / 思想と文学 / フィクション / ディドロ / モンテスキュー / ヴォルテール / 寛容思想
Research Abstract

今年度は、18世紀フランスにおける思想と文学の相関関係を幅広く検証するという研究の目的を着実に実践し、研究内容、社会的評価の両面で大きな前進があった。研究内容の面では、(1)前年度に引き続き、モンテスキューの『ペルシア人の手紙』(1721年)における政治思想(専制批判)とフィクションの構造(書簡、寓話)の関係を明らかにする試み、(2)ディドロの『自然の解明に関する断想』(1753年)における科学思想(自然学、物理学、化学)と文学形式(断片、寓話、補遺、夢想)の関係を明らかにする世界初の試み、(3)ヴォルテールの『寛容論』(1763年)における政治思想(寛容論、国家統治)と文学形式(演劇的叙述)の関係を明らかにする世界初の試み、(4)前項の研究に基づき、17世紀から現代までの寛容思想の系譜、およびその系譜におけるヴォルテール独自の立ち位置を明らかにする試み、の4点について、研究の萌芽や進捗があった。具体的な成果としては、(1)との関連で『ペルシア人の手紙』の一部翻訳の発表、(4)との関連で寛容思想の系譜をたどる論文の執筆等を挙げることができる。また(2)と(3)については、来年度中にそれぞれ論文を発表する予定である。一方、社会的評価の面では、2010年6月、本科研費の成果として出版した著書『ディドロ限界の思考』(風間書房、2009年)が第27回渋沢・クローデル賞特別賞を受賞したことにより、新聞、雑誌、講演等を通して、ディドロの思想と文学の相関関係をめぐる自らの研究について広く発信する機会を持つことができた。このことは、「理性中心主義」「合理主義」などの安直な紋切型のもとで一括されてきた18世紀フランスに新たな光を当てるという当初の課題に照らして、これまで進めてきた研究が実質的な成果を挙げたことを意味している。この他、前年度より続けてきた18世紀研究の基本資料の収集に関しても、着実に進めることができた。

  • Research Products

    (4 results)

All 2011 2010

All Journal Article (3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 言葉への畏怖2010

    • Author(s)
      田口卓臣
    • Journal Title

      日仏会館通信

      Volume: 127号 Pages: 2-3

  • [Journal Article] 驚きに発し、驚きに終わる-ディドロ『運命論者ジャックとその主人』について2010

    • Author(s)
      田口卓臣
    • Journal Title

      青淵

      Volume: 741号 Pages: 22-25

  • [Journal Article] 深いたくらみ、怪物的魅力(第27回渋沢・クローデル賞受賞者の横顔)2010

    • Author(s)
      田口卓臣
    • Journal Title

      読売新聞朝刊

      Volume: 8月5日朝刊 Pages: 26

  • [Presentation] 「啓蒙」の複数性をどうとらえるか2011

    • Author(s)
      田口卓臣
    • Organizer
      人文社会科学系若手研究者セミナー(日仏会館)
    • Place of Presentation
      日仏会館
    • Year and Date
      2011-01-29

URL: 

Published: 2012-07-19  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi