2009 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀ロシア文学と文化史の相関性に関する新パラダイム
Project/Area Number |
21720109
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鴻野 わか菜 Chiba University, 文学部, 准教授 (50359593)
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Keywords | コシア文学 / ロシア文化 / 絵本 / 児童文化 |
Research Abstract |
今年度は、公認文学・文化と非公認文学・文化の相関関係の資料を収集し、モスクワ・コンセプチュアリズムの作家(イリヤ・カバコフ、ゲンリフ・サプギール、イーゴリ・ホーリン、アンドレイ・モナスティルスキー、フセヴォロド・ネクラーソフ、エリク・ブラートフ等)の作品読解と研究を行った。また、ロシアと日本、欧米の絵本と児童文学・児童文化の比較研究を行うために、今年度は主に日本と欧米の絵本、アニメーションの資料を収集した。さらに、越後妻有で、カバコフのインスタレーション調査を行った。これらの非公認文学・文化と絵本研究の成果の一部を、共訳書であるイリヤ&エミリア・カバコフ『プロジェクト宮殿』(国書刊行会、2009年)の巻末の論文として発表した。 さらに、その論文の内容を発展させ、古賀義顕との共著論文「イリヤ・カバコフ『プロジェクト宮殿』解説」をロシア語で執筆した。『理論詩学派-ナタン・ダヴィードヴィチ・タマルチェンコ教授70歳記念論集』(モスクワ、クラーギナ出版社、2010年、341-346頁)に掲載される予定であり、現在、ゲラの校正が終わった段階である。 また、カバコフと絵本の研究成果の一部を、「『オーシャと友人』イリヤ・カバコフとユダヤ」というロシア語の単著論文にまとめ、ロシア人文大学の研究論文集に投稿し、編集部に受理され、現在、刊行を待っている段階である。 その他、日本語の単著論文「架空の芸術家の伝記-イリヤ・カバコフの美術史」を執筆した。本論文は、『文化としての社会主義-経験された近代化の歴史,そして現在』小長谷有紀編(明石書店,近刊)に掲載される予定である。
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Research Products
(1 results)