2010 Fiscal Year Annual Research Report
ロビンゾナーデと自然科学を統合した啓蒙主義文学としての『世界周航記』研究
Project/Area Number |
21720117
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
森 貴史 関西大学, 文学部, 准教授 (10318743)
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Keywords | ゲオルク・フォルスター / 『世界周航記』 / ロビンゾナーデ / 自然科学 / 啓蒙主義文学 |
Research Abstract |
夏季休暇期間中の8月17日から30日の日程で、イギリスおよびドイツの文書館や図書館での調査や資料収集をおこなった。イギリスではおもに、ロンドンの大英博物館、大英図書館、バッキンガム宮殿美術館などを、ドイツではおもにゲッティンゲンのパウリーナー教会(ニーダーザクセン州立・大学図書館)、ブラウンシュヴァイクのアントン・ウルリヒ大公博物館、ブラウンシュヴァイク州立博物館などで、たくさんの有用な資料や書籍を収集することができた。 海外での資料収集にくわえて、昨年度に収集した文献資料とともに、フォルスター『世界周航記』を分析するうえで本研究の主眼となるところの、「自然科学と文化史のデータベース」と「ノンフィクションとフィクションの間テクスト性」を分析するために、文献資料の整理と精読をおこなった。この過程で、自然科学の諸分野と、フォルスターのテクストの内容との関係を見極めていくといった作業も一定の成果があり、論文として発表した。 一方で、これまでの研究内容の精査と過去2年間に収集した資料から、いくつかの項目の内容を新しくボリュームアップできた。たとえば、18世紀後半は古典主義が非常にもてはやされた時期であるが、今年度のばあいはとくに、〈18世紀と古代〉、〈古代神話と17世紀絵画〉、〈古典主義と風景論〉といった項目については、じゅうぶんな進捗がみられた。それゆえ、最終年度である来年度には、これらをまとめたものを公表するめどがついたと思われる。
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Research Products
(5 results)