2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720128
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
奥田 博子 南山大学, 外国語学部, 准教授 (10343063)
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Keywords | 原爆 / ヒロシマ / ナガサキ / 核兵器 / 記憶 / 歴史 / レトリック |
Research Abstract |
今年度の一番大きなし研究成果は、初年度の現地調査及び資料収集を初めての著作『原爆の記憶-ヒロシマ/ナガサキの思想』の刊行に結びつけることができたことである。平成22年8月8日付け『朝日新聞(全国版)』朝刊において作家保坂正康氏が拙著を書評に取り上げ、そのことが一般読者からの反響を実際に得ることへと繋がり、さらには翌9月15日付け『朝日新聞(広島地方版)』において取材記者のインタビュー記事が掲載されることにもなった。また、平成23年1月21日、目黒美術館より拙著に基づいて来年度初めに「原爆を視る1945-1970」を企画中で、同時に企画している連続講演の一つを依頼したいとの電話も受けた。 次に、2009年4月5日のオバマ米大統領の「プラバ演説」の一考察をオランダ・アムステルダムの国際議論学会において研究発表したことが挙げられる。グローバル化の流れのなかで地政学的なリスクと密接な関連性をもつ核戦略をめぐって欧米の研究者と意見を交わすことができたことは、本研究を推進するうえで、有益であった。リトアニア・カウナス大学の雑誌への投稿を勧められ、欧州でのヒロシマ/ナガサキに対する関心の高さを実感することもできた。 当初計画していた米国ニューメキシコ州ロスアラモスにおける現地調査及び米国ワシントンにおける資料収集を実施するうえでのスケジュール調整が難しかったため、今年度は大日本帝国による真珠湾攻撃から70周年を迎える2011年12月8日に先立ち、米国ハワイにおける太平洋戦争の記憶のなかのヒロシマ/ナガサキを探求する現地調査を行った。また、核時代におけるヒロシマ、ナガサキ、そしてオキナワへの拡がりを核密約という視点から検証するために米国国立公文書館の資料を多数所蔵する沖縄公文書館における質料収集にあたった。
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Research Products
(2 results)