2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720135
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岡部 玲子 日本大学, 法学部, 助教 (60512358)
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Keywords | 言語学 / 心理言語学 / 言語獲得 / 言語処理 / 脳科学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、子供の生得的言語能力と言語獲得過程および人間の言語処理メカニズムの実証的な解明である。本年度も昨年度に引き続き、まず研究対象となる複文構造を持つ文の理論的先行研究の検討および整理を行なった(消耗品図書支出)。それと同時に、言語処理・言語獲得研究における先行研究の収集・整理も行なった。これらを基盤とし、大人を対象としたERP(事象関連電位)実験を行なった。大学学部生25名を被験者として実施した。これは、日本語の照応詞「自分」を含む、定動詞節を埋め込み文とする複文・目的語コントロール文・単文の3種類の文を解釈する際のERP脳波を計測したものである。その実験結果をまとめ、言語理論上の意義や言語処理研究における成果を詳しく検討し、その結果を国際学会Tokyo Conference on Psycholinguistics 2011 (2011年3月11日)で発表することが決定していた(東日本大震災の影響で学会は中止)。現在その研究を基にした論文を執筆中であり、The Proceedings of the 12th Tokyo Conference on Psycholinguisticsに掲載が決定している。またERP実験と並行して、子供による複文構造の獲得過程を解明することを目指した実験を4才~6才の保育園に通う子供を対象として実施した。その結果はUCLAにおける心理言語学セミナーにおいて発表した(2011年3,月2日)。さらに同実験研究の結果も上記proceedingsに掲載が決定している。さらには、かき混ぜ文の理解を検証する実験も実施し、その結果を国際学会において発表する準備を進めている。
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Research Products
(2 results)