2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720142
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 良子 神戸大学, 大学院・国際文化学研究科, 准教授 (20347785)
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Keywords | 音声の個人性 / 外国語教育 / ドイツ語 / 発声 / 日本語教育 |
Research Abstract |
本研究の2年目にあたり、初年度に抽出した音声言語の動的個人性が、外国語発音においてどのように産出されるのかということを中心に検討した。また表現力豊かな外国語音声を習得するための学習方法について検討を行なった。本年度は主に、モデル音声の特徴を学習者がどれほど真似をすることができるか、どのような音声が母語話者にとって自然な発音になるのかという観点から、日本語学習者の日本語発音における発話速度、アクセント型正答率、疑問文イントネーションのパターン、フィラーなどについて音響分析を行なうとともに、日本語母語話者による自然性評定も行ない、知覚的側面からも検討を行なった。中国語母語話者、モンゴル語母語話者を対象としては、シャドーイングを用いた練習方法の前後でどのように発音が変化するのかを検討した(発表[1][2][3])。ドイツ語母語話者を対象としては、身体をリラックスさせる方法を用いた発音トレーニングの効果を検証した(発表[4])。日本人ドイツ語学習者についても、身体運動を伴った発音練習を行ない、その効果を、発話速度、語アクセント正答率、母語話者による評定といった観点から考察した(論文[1]、発表[5])。また、この研究の一部を語学の教科書の記述に反映させた(図書[1])。 本年度行なった実験においては、いずれの発音練習方法においても、分節的特徴よりも韻律的特徴が大きく変化し、それにより母語話者の評価が大きく変わることが示された。しかし外国語音声における個人差については十分に検討することができなかったため、次年度の課題とする予定である。
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Research Products
(9 results)