2011 Fiscal Year Annual Research Report
モンゴル語のテンス・アスペクトについての通時的研究
Project/Area Number |
21720145
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Research Institution | Nagasaki University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
松岡 雄太 長崎外国語大学, 外国語学部, 講師 (40526688)
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Keywords | モンゴル語 / テンス / アスペクト / 言語接触 / 文法化 |
Research Abstract |
本年度は、主に以下に挙げる二点の調査研究を行なった。 1)前年度までに行なってきたモンゴル語のホルチン方言、チャハル方言、ハルハ方言に続き、本年度は夏季に中国の現地に赴いて、ハラチン方言のテンス・アスペクトについての基礎的調査を実施した。また、日本国内では、ホルチン方言を対象に、日本語の「テイル」形に相当する基本的なアスペクト形式である「副動詞+baix」形以外に、アスペクト的な意味を表すとされる「副動詞+barax、duusx(共に日本語の「シオワル」に相当)、「副動詞+exilex」(日本語の「シハジメル」に相当)、「副動詞+jabax,ocix」(共に日本語の「テイク」に相当)、「副動詞+irex」(日本語の「テクル」に相当)などの周辺的な形式について聞き取り調査を実施した。 2)本研究では、系統的にモンゴル語と同系で、清朝時代を通じてモンゴル語と言語接触の関係にあったと考えられる満洲語との対照を通じて、モンゴル語を調査研究するという手法を取っている。現在、満洲語の話者は非常に少なく、口語としての満洲語は絶滅の危機に瀕しているが、本研究では、膨大な量が現存する満洲語文献を扱うことで、満洲語文語を研究対象としている。この満洲語の文献調査に関して、本年度は、初年度に引き続き、19世紀の長崎で編纂された『翻訳満語纂編』と『翻訳清文鑑』の二種の文献のデータベースを作成した。
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Research Products
(1 results)