2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720147
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三木 夏華 Kagoshima University, 法文学部, 准教授 (80363604)
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Keywords | ベトナム / 華人 / 広州方言 |
Research Abstract |
平成21年9月にベトナム・ホーチミンにて華人の広州方言の調査を行った。調査方法は『方言調査字表』(中国社会科学院語言研究所編・商務印書館)に収録されている漢字を読んでもらう形式で実施し、声韻調の体系を明らかにした。その調査結果をまず、中国本土で話される広州方言との比較分析を試みたところ、声調や韻母に大陸や香港などの地域とは異なる合流の現象が碓認された。 また、ベトナムでは1976年の南北統一から1979年の中越戦争期に渡り、徹底した中国糸住民の同化政策が行われ、華語教育の場も厳しく制限されるが、1986年のドイモイ政策以降、経済の開放政策と中越関係の改善に上り、華語教育が盛んになる。このような社会事情や言語政策に華人の話す方言も大きく影響されると推測できることから、インフォーマントは在越二世、三世の各世代から選び、両者の世代間の差異を分析した。その結果、前述の声調や韻母の合流は二世だけでなく、三世にも見られ、更なる合流の拡張が見られることが分かった。このように一方言の世代間の差異に着目した分析はこれまでの世界各国の華人言語研究には見られず、同分野の研究手法に大きな意義をもたらすであろう。なお、調査結果は『人文学科論集』72号「ベトナム・ホーチミン市における華人の広州方言の音韻体系」に報告し、平成22年5月には韓国・漢陽大学校における国際シンポジウムで研究発表を行う予定である。
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Research Products
(1 results)