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2011 Fiscal Year Annual Research Report

育児語に内在するリズム構造と音象徴の脳内基盤

Research Project

Project/Area Number 21720156
Research InstitutionThe Institute of Physical and Chemical Research

Principal Investigator

松田 佳尚  独立行政法人理化学研究所, 情動情報連携研究チーム, 客員研究員 (60342854)

KeywordsfMRI / マザリーズ / 育児語 / オノマトペ / 音象徴 / 言語発達 / 情動 / 個人差
Research Abstract

実験、解析、ともに昨年度で終了し、現在論文を執筆中である。そのため、研究内容とその成果は本質的に昨年と同じである。すなわち、
私たち大人が子どもに向かって話しかける際、声のピッチが上がり、ゆっくり話す(韻律の変化)。また、「あんよ」「ねんね」など、幼児向けのことば『育児語』を多用する(語彙の変化)。これらを総称して「マザリーズ」と呼ぶが、子どもの言語発達に合わせて親もマザリーズを変化させることが知られている。前言語期の乳児に対しては、主に韻律の変化が顕著である。子どもが二語文期に入ると、マザリーズの韻律が低下するが、育児語は依然使われる。そして子どもが小学校に入る頃には、親はマザリーズの使用を止め、成人向け発話と変わらなくなる。このように、子どもの言語能力に合わせたコミュニケーションを即座に実現する「モード切替スイッチ」は脳内のどこにあるのだろうか?私たちは意識せずにマザリーズを使うため、無意識の動作に関係するとされる皮質下構造に着目した。
被験者は以下の4群である。(1)親経験のない女性15名、(2)喃語期乳児の母親20名、(3)二語文期幼児の母親16名、(4)小学一年生児童の母親18名である。音声刺激は、韻律と語彙に関してそれぞれマザリーズと成人向け発話を用意し、2×2の要因配置をなす4種類の音声を被験者に提示した。得られたデータを解析し、母親の経験に応じてダイナミックに変化する脳部位の同定を試みた。すなわち、次の4条件を満たす脳部位を明らかにした。(1)親経験のない女性では、韻律と語彙に関して主効果および交互作用なし。(2)喃語期乳児の母親では韻律のマザリーズにのみ主効果があり、交互作用はなし。(3)二語文期幼児の母親では交互作用効果あり。(4)小学一年生児童の母親では、主効果および交互作用なし。同定された脳部位は、右側の尾状核であった。左の尾状核はバイリンガルの人たちが一方の言語から他方へスイッチする際に活動する部位であることが知られている、今回、経験に応じたマザリーズのスイッチが右・尾状核に見つかったことで無意識の調節メカニズムを明らかにした。

  • Research Products

    (3 results)

All 2012 2011

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Categorical and dimensional perceptions in decoding emotional facial expressions2011

    • Author(s)
      Fujimura, Matsuda, et al.
    • Journal Title

      Cognition & Emotion

      Volume: (印刷中)

    • DOI

      DOI:10.1080/02699931.2011.595391

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] マザリーズを処理する親の脳活動:fMRIによる研究2012

    • Author(s)
      松田佳尚
    • Organizer
      日本心理学会発達心理学基礎研究検討会
    • Place of Presentation
      お茶の水大学(東京)(招待講演)
    • Year and Date
      2012-03-03
  • [Presentation] 乳幼児向け発話(マザリーズ)から探る親性の発達2011

    • Author(s)
      松田佳尚
    • Organizer
      こころの発達と障害の教育研究コンソーシアム・第2回公開シンポジウム
    • Place of Presentation
      (東京)東京大学・鉄門記念会堂(招待講演)
    • Year and Date
      2011-12-18

URL: 

Published: 2013-06-26  

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