2010 Fiscal Year Annual Research Report
合議プロセスにおける同意/不和の多層的記述・評価手法の開発
Project/Area Number |
21720157
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
水上 悦雄 独立行政法人情報通信研究機構, 知識創成コミュニケーション研究センター・音声コミュニケーショングループ, 有期研究員 (30327316)
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Keywords | 話し合いの構造 / 同意/不和の構造 / 発話単位化 |
Research Abstract |
本研究の目的は,合議を目的とした話し合いの,合意形成過程における「対立」の概念を整理し,レベルの異なる同意/不和(agreement/disagreement)を多層的に記述する方法論を確立し,それを応用した合議プロセスの評価指標を作成することにある.平成22年度は,平成21年度に整備された議論データ18対話に対し、a)同意/不同意の理解に寄与する階層的談話構造タグ(メタ議論タグ)の設計・付与、b)分析単位の再検討、c)発言の際の非言語的振舞いの一部として、の視線方向ラベリングの付与、をそれぞれ実施した.a)では、発言の導入時、先行する発言や主張、主題との対立・同意関係を示しながら、自分の主張を投射するような表現や、議論進行に関わる発言など、4階層のラベルを設定し、これを付与した。その出現頻度と、議論評価との関係を分析した結果を、国内会議(言語処理学会大会)において発表した。b) a)の作業において、発言導入表現のうち最下位レベルのもの(発言導入表現)の一部は、想定していた発言単位よりも短く、また、最上位レベルのもの(議論とりまとめフェーズ)は談話単位と呼ばれるものに近く、これを踏まえて分析単位の再検討を行った。c)では、21年度に18対話のうち、9対話に付与していた、視線方向のラベルを、残り9対話に対して付与し、対象議論データの基本データベースを構築した。次年度(平成23年度)には、これらを用いて同意/不同意タグを完成させ、当該データに付与、議論過程における同意/不和の流れを構造化し、議論評価との関連性を分析する予定である。
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Research Products
(1 results)