2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720162
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
吉田 永弘 Kokugakuin University, 國學院大學, 准教授 (30363906)
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Keywords | タメニ / 目的表現 / 原因・理由表現 / 従属節 / 連体法 / 文法史 / 文体史 / 中世語 |
Research Abstract |
本研究は、古代語の原因・理由表現、目的表現を中心とした従属節の変遷を、文体差に配慮して考察することを目的としている。 本年度は、目的表現のタメニについて、データ収集を上代から近世前期にわたって行い、大きな流れを把握するように努めた。また、並行して先行研究の分析を行った。 その結果、一応の見通しを立てることができ、平成21年10月17日(土)に刈谷市産業振興センターで行われた中部日本・日本語学研究会において「古代語のタメニ構文とその変遷」と題して口頭発表を行った。発表後の質疑を通して、また、その後の考察を通して、種々の問題点があることが明確になったが、主なものとして以下の3点が挙げられる。(1)データの問題。収集した範囲では不足しており、各時代のデータを幅広く収集し、近代まで調査対象を広げる必要があることがわかった。(2)分析の仕方の問題。構文の変遷と意味の変遷は峻別して記述したほうが明確になるので、問題を二つに分けることが必要になった。また、タメニ節の述語の形式は述語組織全体の問題として捉えられるので、従属節の述語全般の考察も行う必要が出てきた。(3)他の形式との関係。目的表現と対をなす、原因・理由表現の変遷とどのように関連してくるのか、考察することも必要になった。 以上の問題を踏まえて、次年度は引き続きデータの収集と分析を行い、派生した問題点について考察を深めていく予定である。
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Research Products
(2 results)