2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本語諸方言における否定疑問形式の終助詞化に関する記述的研究
Project/Area Number |
21720165
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高木 千恵 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (50454591)
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Keywords | 方言 / 終助詞化 / 否定疑問形式 |
Research Abstract |
本研究は、否定疑問形式に由来する日本語諸方言のモダリディ形式に焦点を当て、各形式の用法を包括的に記述し、それぞれを対照させることで「否定疑問形式の終助詞化」という文法化現象の一類型を提示しようとするものである。本研究では対象を長野市・大阪市・鳥取県米子市・高知市・宮崎市の各方言としている。これは、否定疑問形式由来のモダリティ形式の存在がすでに指摘されている方言であることによる。本研究では、各地点においてフィールドワークを実施し、それぞれの形式の記述を行う。また並行して、否定疑問文やモダリティに関する標準語研究の成果を整理し、対象方言以外の方言における否定疑問形式のふるまいについても情報収集を行う。 平成22年度は、東日本大震災の影響によって、3月に予定していた「専門的知識を持つ協力者との意見交換およびインタビュー調査」を実施することができなかった。当初は、その予定を今年度に繰り下げ、4月から7月のあいだに意見交換とインタビュー調査の場を設けることを計画していたが、震災の影響により先方との調整がつかず、会合そのものをとりやめざるをえなくなった。そのため、4月~7月には、とりたて否定疑問形式のもつモーダルな用法についてのデータ収集と分析を行った。その成果の一部を「日本語諸方言における同意要求表現」として音声学会研究例会(6月)のシンポジウムにて報告し、同じようなテーマに関心を持っている研究者との意見交換の場をもつことができた。さらに、高知県をフィールドにとりたて否定疑問形式の持つモーダルな用法を記述するための予備調査を行った。今後は、これらの記述を総合し、否定疑問形式が終助詞化する背景に、とりたて否定疑問形式のモーダル化の存在があるということを明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)