2009 Fiscal Year Annual Research Report
埼玉県における方言形成の構造に関する言語地理学的研究
Project/Area Number |
21720169
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Research Institution | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
Principal Investigator |
鑓水 兼貴 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 時空間変異研究系, プロジェクト特別研究員 (20415615)
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Keywords | 方言学 / 言語地理学 / 方言地理学 / 国語学 / 日本語学 / 言語学 |
Research Abstract |
現代日本語における共通語は,東京方言・関東方言を基盤としている。東京方言と周囲の関東地方の諸方言とがどのように影響を与え合っているのかを分析する上で,関東中央に位置する埼玉県方言の詳細な研究は非常に重要である。 本研究は期間中に以下の作業を実施する。あわせてそれぞれの意義を示す。 (1) 関東地方における既存の方言地図資料のデータベース化作業 関東地方各地の詳細地図や,広域地図を組み合わせることによって,埼玉県方言をはじめとする関東方言研究の発展に寄与することができる。また,データベースを利用した研究は,方言研究における分析方法の発展にもつながる。 (2)埼玉県中央部を中心とした県内の面接調査 埼玉県中央部は,全体としては農村部であり,伝統的方言の残存が多いことが予想される。隣接する県南部は東京通勤圏であるため共通語の影響が強いが,反対側に隣接する県北部や県西部は方言的特色の強い地域となっている。こうした地理的に中間的な地域となる県中央部の言語状況の解明は,埼玉県方言の形成の分析の進展につながる。 (3)調査結果の方言地図化作業・データベース化作業,それを基にした分析と報告書の刊行 首都近郊の方言は,強力な共通語化にさらされ衰退の危機にあり,埼玉県方言もその一つである。埼玉…県方言の詳細な研究は,こうした状況下における方言動態を解明する上での核心となる。今後,調査地域を埼玉県全域,さらに隣接都県へと広げ,調査対象を高年層と中年層など複数の世代に広げて重層的な研究する際に,埼玉県中央部の調査分析が基盤となる。 平成21年度は,主に関東地方における既存の方言地図資料のデータベース構築を実施した。資料収集作業とデータベース入力作業に51人日を投入し,データ整備を行った。
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Research Products
(3 results)