2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720178
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
堀田 隆一 中央大学, 文学部, 准教授 (30440267)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 英語史 / 言語変化 / 歴史言語学 / 語彙拡散 / 中英語 / 近代英語 / コーパス言語学 |
Research Abstract |
本年度の研究の目的は、(1) 中英語期の名詞複数語尾 s の発展、(2) 中英語期の形容詞語尾 e の衰退、(3) 近代英語期の名前動後の強勢を示す単語ペアの増加、という英語史上に生じた言語変化の各々について、語彙拡散の観点から質的・量的に記述することであった。以下に、それぞれの研究課題に関する実績を報告する。 (1) 過年度からの研究により蓄積されていた名詞複数形の諸データに加え、初期中英語コーパス A Linguistic Atlas of Early Middle English (=LAEME) から引き出された語彙頻度表の情報をかけあわせることによって、言語変化の進行する順序と語の頻度との関係を探った。その結果、低頻度語がこの言語変化を牽引していることが明らかにされた。この成果は、2013年5月にスペインで開催される国際学会 ICOME-8 にて公表する予定である。 (2) 上記 LAEME コーパスを用いた調査と分析を行ない、その成果を、2012年4月に国内学会で、8月に国際学会 ICEHL-17 にて発表した。同内容は論文の形でも公表した。 (3) 過年度までに蓄積してきた名前動後のデータを総合し、4世紀半におよぶその発展の歴史を記述し、歴史言語学的な立場から説明しようと努めた。これにより語彙拡散の事例の1つが相当に詳しく記述されることとなった。語彙拡散の理論的な発展にも重要な基盤を与えることになると確信している。本年度中に、関連する研究発表をおこない、その内容は論文としても公表された。さらにもう一本の論文の公表が2013年7月に予定されている。 本年度は、以上3点の研究を平行して遂行することにより、語彙拡散の事例の記述に厚みを出すことに成功した。これは、語彙拡散の理論的な発展を目指す上で、手堅い基盤が用意されたことを意味する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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