2011 Fiscal Year Annual Research Report
読解促進材料が日本語学習者の文章理解・作成へ及ぼす効果の解明
Project/Area Number |
21720181
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
甲田 直美 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (40303763)
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Keywords | 文章読解 / 読解ストラテジー / 日本語教育 / メタ認知 / 学習スタイル / 文章構造 / 読解プロトコル / 読解補助手段 |
Research Abstract |
平成23年度は、昨年度1こ引き続き、読解を助けるのに有効な補助手段の効果と機能について考察を進めた。有効な補助手般としては、読解ストラテジートレーニング、メタ認知の促進、学習オーガナイザー、概念図や表、階層マップ、教授マップが挙げられるが、これらの読解における機能と、教材作成時における問題点について検討した。これらは、知識が構造化されることが読解を助けるという考えに基づいており、日本語の文章構造の特性を考えると、話題の逸脱や拡張をどのようにこれらの理解モデルに取り込むことが出来るかが課題となる。教材作成上の問題としては、文章構造の理解を助けるための補助手段として、教師側が作成した図や表、メタ認知を促進するための文章に関するメタ的指摘が、必ずしも特定文章の筆者の意図を反映しない可能性もあり、より高次な文章読解には課題が残ると思われるが、文章をより高次の構造として捉えたり学習者が自分以外の解釈を検討する上では有効であると示唆される。文章の理解プロセスの解明のために、これまで採取してきた量的データに加えて、個人の読解プロトコルデータを採取した。また、学習者の特性との相関を解明し、読解への影響について考察した。これまでの研究から、個々の学習者の特性によって、どのような読解補助手段が有効であるかが異なることが予想されたため、個々の学習者の特性が、どのように読解補助手段の利用に関わっているのかについて、検討した。
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