2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロソディ情報の利用を評価するためのオンライン型英語音声認識テストの開発
Project/Area Number |
21720205
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
村尾 玲美 Waseda University, 早稲田大学オープン教育センター, 助教 (80454122)
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Keywords | 音声言語認識テスト / プロソディ / 英語教育 |
Research Abstract |
【研究目的】 本研究の目的は、音声言語認識テストを開発することにより、学習者が英語音声の認識にどの程度プロソディ情報を利用できているかどうかを自己診断できるようにすることである。テスト開発に向けて、21年度はテスト項目の選定、録音、音声編集、およびパイロットテストを行った。 【研究方法】 テスト項目は1)統語的曖昧文、2)第三文型と第五文型、3)句動詞、4)複合語、5)内容語と機能語、のペアである。同じ単語や、類似した発音の単語を使用した文のペアを、プロソディ情報の違いのみで聞きわけることができるかどうかを明らかにするため、1)英語母語話者6名、2)上級英語学習者2名、3)中級英語学習者27名に対し文の認識テストを行った。また、別の英語母語話者6名にそれぞれ実験文を読ませ、文ペアが異なるプロソディで発音されるかどうかを確認した。 【研究成果】 パイロットテストの結果、1)統語的曖昧文と3)句動詞のペアについては英語母語話者・上級英語学習者ともに満1点であった。統語的曖昧文はリズムとイントネーションの違いに加え、ポーズ位置の違いという顕著な手がかりがあるため、中級学習者にも認識されやすい項目であることがわかった。中級学習者は句動詞のペアについてもプロソディ情報の違いで聞きわけることができた。句動詞は、動詞と不変化詞の組み合わせで、プロソディ表象を形成してひとまとまりに記憶されていると考えられる。一方、2)第三文型と第五文型、4)複合語、5)内容語と機能語、の.ペアについては、数は少ないものの英語母語話者であっても認識を誤るケースが見られた。この三つの項目は、ペアの一方が名詞句を構成する作りになっているが、句構造を明示するほどプロソディ情報が顕著ではなかったと考えられる。英語母語話者による録音音声のデータを解析し、プロソディ情報のみで句構造が識別できる項目に今後限定する必要がある。
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