2010 Fiscal Year Annual Research Report
プロソディ情報の利用を評価するためのオンライン型英語音声認識テストの開発
Project/Area Number |
21720205
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村尾 玲美 名古屋大学, 大学院・国際言語文化研究科, 准教授 (80454122)
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Keywords | 音声言語認識テスト / プロソディ / 英語教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、学習者が英語音声を聞き取るにあたって、どの程度プロソディ情報を利用できているかどうかを自己診断できるような、音声言語認識テストを開発することである。平成22年度は前年度行った予備テストの結果を論文化し、学術雑誌(ククロス:国際コミュニケーション論集)に投稿した。この論文では1)Early Closure文とLate Closure文のペア、2)SVOC文(結果構文)とSVO文のペア、3)句動詞のペア、4)複合語と二語のペア、5)内容語と機能語の同音異義語ペア、という五つのカテゴリーに属する46文のテスト項目について、英語母語話者による聞き分けの結果を分析した。実験の結果、2)と4)の項目についてはその1割が正しく聞き分けられていなかったため、学習者の能力を診断するためのテスト項目として利用するにはふさわしくないと判断された。プロソディ情報を利用して文構造の違いを聞き分けるテスト項目の他に、高頻度表現を認識するテスト項目についても、英語母語話者による予備テストを事前に行っていたため、その結果を本年度論文にまとめ、『ことばとコミュニケーションのフォーラム』(開拓社)に掲載した。前年度までに行った予備テストの結果により、文構造の違いを聞き分けるテスト項目については38文、高頻度表現を認識するテスト項目については24文を最終的な項目として音声言語認識テストに利用することとした。テストのオンライン化についてはHot Potatoes Ver.6のJQuiz形式を利用した。Multiple-choiceで答えを選択した後、不正解の項目については強弱の違いが視覚的にわかるようなフィードバックが与えられ、最終的な正解率とコメントが呈示される。Hot Potatoesを利用したテスト以外に、学習管理システム(Sakai Project)を利用したテストを現在作成中である。
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