2010 Fiscal Year Annual Research Report
語学教員へのCALL技術トレーニングとその学習者への教育的効果の検証
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21720206
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Research Institution | Gakushuin Women's College |
Principal Investigator |
萱 忠義 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 准教授 (00515752)
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Keywords | コンピュータ支援言語学習 / CALL / トレーニング / 教員指導 / 外国語教育 / 英語 / 語学教員 / 学習効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は「如何に語学教員へのCALL技術教育を推進していけばよいのか」という問いに答えることであり、平成21年度の研究に引き続き、調査・実験を行った。 事前準備として、最新機器(e-book readersやsmart phonesなど)も考慮に入れ、本実験で使用すべきCALL技術の選定を行い、教員へのCALL技術の講習会を行った。本実験に移る前に、まず語学教員と語学学習者を対象にした事前調査(CALLに関する心理調査および英語力調査)を実施した。その後、講習会で得た知識を基に、教員に実際に授業を行って頂いた。それと同時にメールやインタビューなどのデータも収集した。2か月後に事後調査を行い、実験を無事終了した。平成22年度は、予算を繰り越し翌年まで延長を行ったが、結果として実験を滞りなく終了することが出来たと言える。 実験成果としては、有意義な結果となった。まずは、CALL技術を利用する際の様々な障害(教員の時間的制約・過密なスケジュール)や今後の改善点(教員サポート体制の改善・インフラの整備・教育研究資金の改善)などが浮き彫りとなった。また、統計分析の結果より、ほとんどの教員が講習会で得たCALL知識を利用していることが分かったが、その知識が必ずしもうまく学生に伝達されていないという問題も明らかとなった。その一方で、講習会を行った教員が直接学生を指導すると、学生の英語力に明らかな飛躍が見られ、講習会を受講した教員と比べて、統計的有意差があることが判明した。当初のリサーチクエスチョンにはすべて解答できる結果となり、実験は成功であった。 途中経過および実験後に、本研究に関連する論文を書き(3つ)、学会発表も行い(国内4つ:海外2つ)、研究成果を国内外に発信した。本研究では興味深い実験結果が得られたため、その学術的貢献度は高かったと評価できる。
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