2010 Fiscal Year Annual Research Report
英語学習者のための韻律自動評価システムの構築とその評価
Project/Area Number |
21720209
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
近藤 悠介 立命館大学, 言語教育センター, 講師 (80409739)
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Keywords | 言語テスト / 自動評価 / 発話データベース |
Research Abstract |
本研究は、本申請者が平成19年度~20年度で若手研究(B)「英語学習者の音読における韻律の研究:項目応答理論による評価の分析と音響学的測定」で助成を受けて収集した約100人のアジア人英語学習者の音読データベースを利用し、英語学習者の音読における韻律の自動評価システムを構築し、そのシステムを評価するものである。 平成21年度で行った実験結果に基づき、訓練を受けた評定者が付与する評価値を発話の特徴量から予測する自動評価システムを開発した。システムが算出する評価値の妥当性および信頼性を考慮して、既存の発話データを評価値に基づき3つのレベルに分類した。この分類には潜在尺度に順序尺度を仮定するニューラル・テスト理論に基づき行った。システムは、新たな受験者を発話の特徴量を測定し、新たな受験者の特徴量と最も近い平均値を持つレベルに分類する近傍法を用いて受験者の発話を評価するものである。完成したシステムは、Windowsに標準で搭載されているブラウザからアクセス可能なものである。 評価実験には、約30人の新たなアジア人英語学習者が評価実験に参加した。この30人に関して、システムが算出した評価値と3人の評定者が付与した評価値との関係を検証したところ、システムが算出する評価値はかなりの程度正確に評定者が付与する評価値を予測することが分かった。本研究が対象とした発話は読み上げ文に限られているが、コンピュータによる発話の自動評価が評定者による評価値をかなりの程度正確に予測することが分かり、さらに自由度の高い発話においても自動評価の可能性が示された。
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