2011 Fiscal Year Annual Research Report
連鎖動詞の意味の再構築を促す収斂型コンコーダンス集の教育的効果に関する研究
Project/Area Number |
21720214
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Research Institution | Hijiyama University |
Principal Investigator |
能登原 祥之 比治山大学, 現代文化学部, 准教授 (70300613)
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Keywords | 学習者コーパス / イベントスキーマ / 文型 / 連鎖動詞 / コンコーダンス / 例文提示教育 / スキーマの融合 / スキーマの軋轢 |
Research Abstract |
2011年度3月には、(1)2010年度に行った連鎖動詞構文の習熟度に関する研究(Bulletin of Hijiyama University No.17,pp.37-46.)と(2)中学校の英語教科書の頻度効果に関する研究(『中国地区英語教育学会研究紀要』No.41,pp.11-20.)の2本の論文が出版された。 また、9月には、2010年度に実施した収斂型コンコーダンスの教育効果の研究(実践II)を整理し、(1)連鎖動詞構文に焦点をあてた収斂型コンコーダンス集の教育効果の縦断的調査結果、(2)それに伴う学習者の句表現の発達状況の質的分析結果、の2点をまとめた研究発表を行った(The 44th BAAL,1 September 2011,University of the West of England,Bristol,England,UK)。そして、その発表の中で、教育効果の確認された「連鎖動詞の意味の再構築を促す収斂型コンコーダンス集」を公表した。 さらに、本研究を終えるにあたり、理論的基盤となっていた動的用法基盤モデルの観点から再考した動詞パタン論を最新の知見を入れながらあらためて整理し直し、今後の研究の方向性と課題を整理した(第4回広島大学英語教育学会 2011.7.31 広島大学)。そして、11月にはその草稿を論文としてまとめ、『英語教育学研究』3号(2012)へ投稿した。 最後に、2010年度に確立した「連鎖動詞の意味の再構築を促す収斂型コンコーダンス集」を使用し、同レベル(CEFR A2 レベルの大学生)の新たな学習者の場合で実践IIと同様の効果が確認できるかを検証する実践III(再検証)を2011年度前期に実施した。2012年度は、その研究成果を整理し、2回の実践(実践IIと実践III)を比較検討しながら、定着し難い構文の性質を吟味し、学習者の中間言語内にあると想定されるイベントスキーマの融合や軋礫に関して考察をさらに深め、その知見を自由英作文指導に生かす工夫を考えていく予定にしている。
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