2009 Fiscal Year Annual Research Report
個人差・学力差に対応した,動機づけの低い学習者の動機づけを高める教育支援研究
Project/Area Number |
21720215
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
田中 博晃 Hiroshima International University, 国際交流センター, 講師 (80441575)
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Keywords | 動機づけ / 習熟度 |
Research Abstract |
平成21年度は初年度のため,なかば実験的にスタートした。主に学習者の多様な個人差・学力差の把握,および,動機づけを高める方略の整備を行った。個人差要因に関しては特に植木(2002)の学習間の観点から,動機づけと個人差要因である学習間との関連性の検討を行った。特に測定器具の作成をし,日本人大学生を調査協力者として学習間の測定を行い,尺度の信頼性と妥当性の検討を行った。 また動機づけを高める方略を整備するために,方略の効果をTOEICの習熟度レベル別に比較を行った。その結果,現在開発中の方略はTOEIC500以上の学習者には有効であることが示された一方,500以下の学習者には効果が限定的であることが分かった。よって次年度の研究準備として,方略を改良し,TOEIC500以下の学習者にも対応できるようにする必要がある。特に方略の効果を高めるには学習者の有能感に働きかける必要性が明らかになった。そこでポジティブフィードバックの強化を行えるように方略を再設計した。それによって3欲求を満遍なく満たしながら有能性の欲求を満たすことを通じて,学習者の活動レベルの内発的動機づけ,授業レベルの内発的動機づけ,そして特性レベルの内発的動機づけという3つのレベルの内発的動機づけを総合的に高められるようにした。特に特性レベルの内発的動機づけには方略の効果が限定的であったが,ポジティブフィードバックの強化を行った改良版の方略によって,特性レベルの内発的動機づけも高められることが期待できる。
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