2010 Fiscal Year Annual Research Report
個人差・学力差に対応した,動機づけの低い学習者の動機づけを高める教育支援研究
Project/Area Number |
21720215
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
田中 博晃 広島国際大学, 国際交流センター, 講師 (80441575)
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Keywords | 動機づけ / 習熟度 |
Research Abstract |
今年度は主に実験調査を中心に行った。昨年度作成した方略では特性レベルの動機づけ,および有能性の欲求への介入効果が十分ではなかった。またTOEIC500点以上の学習者には効果的であったが,それよりも低い学習者に対しては効果が限定的であった。よって,今年度はその方略の改良版を作成し,TOEIC500点以下の学習者にも有効に機能するようにポジティブ・フィードバックを強化した。改良版の方略ではピアフィードバックなどを取り入れ,有能性の欲求をより強固に刺激することで,学習者の授業レベルだけではなく,特性レベルの動機づけも高められるように設計した。方略は昨年度と同様に「外国ドラマ・映画を用いたコミュニケーション活動」とした。 第1回調査を4月から8月末まで,第2回調査を10月から1月末までとした。調査実施は広島県内の私立大学と国立大学の2校とした。TOEICのスコアが250点程度から750点までの学習者を対象とし,幅広くデータ収集を行った。特に昨年度ではデータ収集ができなかった,動機づけが低く(M=1.45),英語習熟度の低い学習者(TOEIC500以下)に対する実験も行った。収集したデータは質問紙調査のリカートスケールによる量的データと自由記述形式の回答による質的データの2種類であった。尺度は田中(2010)を用いた。データは現在分析過程にあり,来年度の学会発表や研究論文による成果報告の準備を行っている。分析方法は基本統計量の算出に加えて,多変量解析やKJ法,あるいはグラウンデット・セオリー・アプローチなどの多様な方法を用いることを計画している。
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