2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720220
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 雄 Hokkaido University, 大学院・文学研究科, 准教授 (50416559)
|
Keywords | 外交儀礼(賓礼) / 東アジア / 明 / 室町日本 / 唐物 / 大内氏 / 遣明船 / 贈与 |
Research Abstract |
本課題研究の初年度にあたる2009年度に於いては、基礎的な史料やデータの収集に手をつけることから始めた。第一の比較外交儀礼に関する研究面では、やはり15世紀の東アジア地域に圧倒的な存在感をほこった中国明朝の外交儀礼(賓礼)規定が、比較の基点として重要となるため、『大明集礼』や『礼部志稿』、『明実録』等から関係記事を抜き出し、精読することに努めた。また、本研究費以前から進めていた『宋朝僧捧返牒記』(宮内庁書陵部所蔵)という義満の冊封儀礼に関する新出史料について、原本調査もおこない、詳細な史料紹介・基礎的分析を論文としてあらわすことができた(書陵部編修課の石田実洋氏との共著;『古文書研究』69号、2010年5月刊行予定)。一方、第二の唐物の政治文化論に関する面では、唐物が贈与されること、あるいは贈与された唐物の具体的な事例研究として、室町期における大内氏から将軍家への唐物贈与に関する研究論文を一篇まとめることができた(「大内氏の唐物贈与と遣明船」『アジア遊学』近刊予定)。ただし、唐物コレクションのデータベース作成に僅かに着手するのみにとどまった。この点は来年度以降引き続いての課題としたい。
|