2012 Fiscal Year Annual Research Report
日本中世朝廷社会における政務運営システムと公事情報の伝達
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21720225
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 珠紀 東京大学, 史料編さん所, 助教 (10431800)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 日本中世 / 古記録 / 朝廷 / 政務運営システム / 公事情報 |
Research Abstract |
本研究課題は、中世の朝廷社会で実務を担った中下級貴族の活動・役割、その中世を通した変遷から朝廷全体の政務運営システムを明らかにすることを志すものである。また当該期の貴族たちの手になる日記(古記録)は数多く伝来しているが、まだその検討・蒐集・紹介は充分とはいいがたい研究状況である。本科研では、この両者を軸として研究を進めた。最終年度となる本年も、国立歴史民俗博物館をはじめとする各地の文書所蔵機関に赴き、調査をさせて頂いた。そしてその成果を基に研究を行った。 後者の成果として、本年は中級貴族広橋綱光の「綱光公記」寛正三年・五年記の翻刻紹介を行った。本記については科研の四年間紹介をおこない、今後も継続する予定である。また下級実務官人中原師廉の「大外記中原師廉記」天正三年記、同じく中原氏の編纂した故実書である『局中宝』、また神道吉田家の梵舜の「舜旧記」紙背文書の翻刻・紹介を行った。 これらを踏まえて、当該期の朝廷の政務運営、公事情報の流れの在り方を探った。本年は特に中世後期の公武関係に注目し、考察を進めた。その成果は論文「消えた前田玄以」(山本博文・堀新・曽根勇二編『偽りの秀吉像を打ち壊す』柏書房)所収、「「豊臣伝奏」の成立と展開」(『東京大学日本史学研究室紀要別冊 中世政治社会史論叢』所収)、「足守木下家文書に残る三通の位記の再検討」(『日本歴史』七七八号所収)、「武田信玄への三通の綸旨」(『戦国史研究』六四号所収)、「中世前期下級官人の年中行事」(遠藤基郎編『年中行事・神事・仏事』竹林舎所収)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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