2011 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本における二大政党制の展開過程の実証的研究-新史料に基づいて
Project/Area Number |
21720230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奈良岡 聰智 京都大学, 法学研究科, 准教授 (90378505)
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Keywords | 日本史 / 近現代史 / 政治史 / 二大政党制 |
Research Abstract |
本年度の実施計画に従って研究を進めた結果、以下の成果を得た。 1)重要史料の復刻出版 初年度の『憲政/憲政公論』に引き続き、大正期の『時事新報』の復刻出版の監修を行った(2012年1月~柏書房から刊行開始)。有力紙であった同紙の復刻出版は、今後戦前期の政党政治史のみならず、外交史、経済史、文学史など歴史研究全般の促進に寄与するものと思われる。解題として「大正期の時事新報-経営と報道」を執筆した。 2)二大政党制下における地方政治過程の分析 高知県高岡郡津野町において片岡直温に関する資料調査を実施し、同町主催の展示企画「片岡家別荘と片岡家の人々」(於片岡家別荘・津野町郷土資料館、2011年6月26日)に協力すると共に、講演を行った。 3)衆参両院事務局の史料調査とオーラル・ヒストリー 科学研究費補助金に基づく「衆議院事務局の未公開資料群に基づく議会法制・議会先例と議院事務局機能の研究」(研究代表:大石眞氏)と連携しつつ、衆参両院事務局所蔵の帝国議会関係史料の調査を進めた。この一環として、赤坂幸一氏、奥健太郎氏、村井良太氏と共に、指宿清秀氏(元参議院事務総長)、平野貞夫氏(元衆議院委員部長)にオーラル・ヒストリーを実施し、その記録を報告書としてまとめた。また、昨年度に実施した今野或男氏(元衆議院議事部副部長)、近藤誠治氏(元衆議院調査局長)のオーラル・ヒストリー記録を出版した。 4)現代における二大政党制の形成過程の分析 消費税導入問題の分析を通して、現代における二大政党制の形成過程を考究し、論文「消費税導入をめぐる立法過程の検討」を発表した。また、同問題に関する重要史料『平野貞夫日記』の出版準備を進めた(2012年公刊予定)。 5)学会の企画 近現代日本における二大政党制について通時的に考察する場を設けるため、2011年5月開催の日本選挙学会の企画委員として、「日本政治史における「政権交代」」(歴史部会)を企画した。
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