2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720231
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
人見 佐知子 Konan University, 人間科学研究所, 博士研究員 (00457029)
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Keywords | 買売春 / 都市史 / 社会史 / 遊廓 / 女性史 / 茶屋町 / 近世・近代移行期 |
Research Abstract |
本研究の主眼は、19世紀の近世~近代移行期を中心に、公認・非公認の遊里(遊廓を含む売春営業地)を中核として形成される社会の空間構造や遊女・遊女屋の身分的・社会的存在形態を、(1)「遊廓社会論」や(2)都市社会史の視点から具体的に描き出すことをめざす点にある。 初年度である今年度は、幕末に加賀藩城下町金沢の近郊に形成された「新地」に営業を許可された茶屋を中心として発展する相生町新地(茶屋町)を主な分析対象とし、金沢市立玉川図書館(近世資料室)を中心に史料調査を実施し、その成果を「北陸・港町遊所の形成-加賀藩相生町新地を事例に-」(『年報都市史研究』17)にまとめた。 続いて、今回分析対象とした相生町新地の事例を、加賀藩の遊所政策全体のなかに位置づけるために、城下町金沢の茶屋町(東・西新地)の分析に着手した。現在、研究史整理、史料収集を実施中である。その成果の一部は、「遊廓社会研究会」(トラッド3)において報告した。 次年度は、以上の成果を含めて加賀藩の遊所政策を総合的に分析することを目指すとともに、他地域の幕末維新期の遊所(遊廓)の事例との比較検討も視野に入れて検討することで、近世~近代移行期の遊里の特質を析出し、それを規定する周辺社会のあり方に注目することで遊里を含めた近代都市社会の構造を明らかにしたい。
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