2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720242
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
清水 節 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (30410294)
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Keywords | 日本史 / 占領期 / GHQ/SCAP / 宗教 / ウッダード |
Research Abstract |
2年目である当年度は、(1)米国オレゴン大学ナイトライブラリー所蔵ウッダードコレクションの調査、(2)前年度に調査・分析した「岸本英夫日記」に関する論考のまとめ、(3)国内の占領期宗教関係史料の調査・分析を実施した。(1)に関しては、ウッダード著『The Allied Occupation of Japan 1945-1952 and Japanese Religions』(E.J.Brill 1972)の初期原稿や、「宗教法人法」の起草に関連する史料を中心に閲覧、複写することができた。これらの史料により、初期原稿から出版された著書が完成するまでに、削除された箇所や内容を確認することができ、ウッダードの研究成果の形成プロセスや著作の真意を掴む上で有益な史料であることが確認できた。またウッダードは、占領期に「宗教法人法」を起草する際の中心人物であったため、彼が所持していた同法関連の諸資料は重要である。占領期における宗教法制の過程を研究する上で、有益な史料がいくつか確認できた。(3)に関しては、国会図書館や宗教系大学の図書館が所蔵する諸資料を調査し、今回の渡米調査で得た史料の分析・考察を深めるのに活用した。これらを通じて、最終年度に論文としてまとめる準備を行った。(2)に関しては、前年度の調査研究の成果として、「岸本英夫」の日記を分析した論文を発表した。これにより、昭和二十年において行われた占領政策の立案過程に、岸本がどのような形で影響を与えたのかを検証できた。
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Research Products
(1 results)