2011 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本の地域社会における歴史認識に関する研究―明治維新を対象とする―
Project/Area Number |
21720244
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
笹部 昌利 佛教大学, 歴史学部, 非常勤講師 (20399059)
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Keywords | 志士 / 明治維新 / 歴史意識 / 寺石正路 / 土佐藩 / 地域社会 / 歴史編纂 |
Research Abstract |
平成23年度における科学研究費補助金を用いた調査・研究は、これまで2年間にわたり執行してきた明治維新における歴史認識に関する調査(高知・鳥取・京都方面)に区切りをつけ、かつ今後の発展性を想定したなかで、あらたな調査先(弘前・札幌・山口)を設定し遂行された。調査先においては、日本近代に収集、作成された資料のなかから、「明治維新」および「志士」について書かれた史料を抽出し、同史料の撮影およびデータ入力にあたった。さらには、歴史遺跡をめぐり、記念碑のほか石造物の撮影、碑文の入力・解析をおこなった。 高知方面においては、高知県立歴史民俗資料館において、これまで調査に当たってきた近代高知の地方史研究者寺石正路関係史料(著作、日記、書簡)の解読をおこなった。同史料群は公開が制限され、調査方法も閲覧、筆写によるものとされており、これまで数度にわたる調査においても進捗ままならない状況にあり、調査方法の再考が必要であると考える。また同館に寄託所蔵される土佐勤王党に所属した島村衛吉関係史料(南国市教育委員会蔵)については、あらたに撮影、解読をおこなった。 今後のあらたな展開を期して、弘前市立弘前図書館蔵津軽家文書、北海道立文書館蔵津軽家文書および山口県文書館における幕末期の公家に関する史料調査をおこなった。代表者はこれまで、幕末期の近衛家、三条家に関する研究を発表してきたが、それぞれから発給された書状の宛て先に所在する史料調査および、編纂史料の研究を欠いていた。よって、今年度における調査は、これまでの自身の研究成果を再確認するとともに、新見解を提示するに足るものとなった。 なお、今年度の調査も、平良聡弘氏(花園大学非常勤講師)の協力を得た。
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