2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720252
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
松尾 昌樹 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (10396616)
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Keywords | 西アジア・イスラーム史 |
Research Abstract |
最終年度である今年度では、おおむね研究目的および研究実施計画に即して研究を進めることができた。予定していた研究会を実施し、湾岸アラブ諸国の国史形成過程を、サウディ・アラビアやイランと比較しつつ、研究を進めることができた。また、湾岸アラブ諸国各国の「社会科」および「歴史」教科書の内容分析もおおむね完了させることができた。一方で、エジプトでのいわゆる「アラブの春」の運動、およびバハレーンでの暴動の激化、オマーンでの一部都市での暴動を受け、これらの国で実施する予定であった資料収集が不可能となった。このような事態が生じた際の代替措置として、シリアでの資料収集を予定していたが、シリアでも同様に情勢が不安定となったため、資料収集を実施することができなかった。これらの地域での資料収集は、情勢が安定化するのを待って、今後も可能な限り推進してゆく予定である。 このような不測の事態の発生にも関わらず、研究活動の成果の一部を公表することができたのは幸いであった。定期的な研究会に継続的に参加してもらっていた高知県立大学の辻上講師とともに、「文化資源を通じた湾岸諸国の国民統合」をテーマに、2011年日本国際政治学会で湾岸諸国のセッションを企画し、発表を行った(「湾岸産油国における国民統合の比較研究-文化資源の消費・流通・生産-」)。今後も、本研究で得られた成果を、新たに収集された資料の分析と合わせて、公表してゆく予定である。
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Research Products
(1 results)