2010 Fiscal Year Annual Research Report
中国北朝隋唐期における国家と地方社会に対する仏教信仰及び教団の政治的役割の研究
Project/Area Number |
21720265
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Research Institution | Sapporo University |
Principal Investigator |
高瀬 奈津子 札幌大学, 文化学部, 准教授 (00382458)
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Keywords | 東洋史 / 仏教史 / 政治史 / 社会史 |
Research Abstract |
本研究は、中国北朝隋唐期における国家支配および地方社会の秩序維持にたいして、仏教信仰の活動および仏教教団がどのような役割を果たしたのかを、石刻資料を通じて明らかにし、当時の為政者や地方社会の成員と、仏教教団の双方がどのような政治的関係にあったのかを考察することが目的である。平成22年度の研究計画では、前年度から引き続き、1.仏教石刻史料の収集とデータ入力、2.唐代の宦官墓誌史料の収集とデータ入力、3.唐代の宦官の政治動向を明らかにし、墓誌における宦官独自の用語を検討、4.中国での石刻史料調査と情報収集、5.隋唐史および中国仏教石刻・文物をめぐるシンポジウム、世界漢語修辞学会に出席し、研究報告をすることになっていた。研究計画に基づき、平成22年7月29日に香港で開催された世界漢語修辞学会第二届年会既修辞学国際学術研討会に出席し、「唐代宦官墓志的修辞特点」という題目で報告した。報告では、唐代の宦官墓誌史料の収集とデータ入力の過程で得られた、墓誌の誌文において見られる宦官独自の用語について、その使用例に基づいて考察した。また、8月29目から9月6日にかけて中国の北京、山西省太原と平遥、陝西省西安と韓城に行って寺院や博物館を訪問し、収蔵している北朝隋唐時代の石刻史料の所蔵調査を行い、あわせて当該時代の遺跡を見学した。3月7日から25日まで北京の国家図書館と北京大学図書館を訪問し、前近代の山西省の地方志を調査して北朝隋唐時代の仏教関連史料の記述を調べた。
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