2011 Fiscal Year Annual Research Report
古墳時代におけるヒスイ勾玉の生産と流通過程に関する研究
Project/Area Number |
21720285
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
高橋 浩二 富山大学, 人文学部, 准教授 (10322108)
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Keywords | 考古学 / 古墳時代 / 翡翠勾玉 / 製作技術 / 流通 / 韓半島 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度に引き続いて、弥生時代後期から終末期には北陸でもヒスイ定形勾玉の製作が開始されていたのではないかという見通しの下に、その候補となる遺跡の資料調査を実施した。その結果、素材の分割には施溝分割技法が用いられたことがあらためて実証された。加えて、施溝分割が施された三角状品や半月形品、C字形品などの製作工程資料を抽出し、断片的だがヒスイ定形勾玉の製作工程を復元することができた。また、古墳時代の勾玉製作遺跡の資料としては富山県浜山遺跡や糸魚川市笛吹田遺跡の資料調査を実施するとともに、合わせて共伴する土器を実見し、玉作が行われた時期などについて検討した。このほか地元研究者との意見交換や研究打合せを行った。 分布や流通に関しては、石川県や長野県のほか、ヒスイ原産地から遠く離れた福岡県などにおける弥生時代の遺跡および古墳出土資料の資料調査を実施した。加えて、各地の研究者と意見交換を行うとともに、研究協力者の協力を得ながら、ヒスイ勾玉の形態や穿孔方法の変化、また分布や流通過程の変動などについて検討をすすめた。また、韓国出土のヒスイ勾玉を巡検し、合わせて文献探索などの情報収集を行った。 そして、弥生時代から古墳時代におけるヒスイ勾玉製作遺跡の様相や製作技術の変化とヒスイ勾玉の分布や流通過程の変動とを比較検討し、総合的な評価をすすめるとともに、研究成果としてまとめる作業を行った。年度末には、研究協力者の協力を得て、2冊の研究成果報告書を刊行した。
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Research Products
(3 results)