2010 Fiscal Year Annual Research Report
朝鮮半島三国時代の倭系遺物を副葬する古墳被葬者に関する研究
Project/Area Number |
21720291
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Research Institution | Kashihara Archaeological Institute , Nara prefecture |
Principal Investigator |
井上 主税 奈良県立橿原考古学研究所, 調査部, 研究員 (80470285)
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Keywords | 倭系遺物 / 古墳被葬者像 / 三国時代(朝鮮半島) / 階層性 |
Research Abstract |
本研究は,朝鮮半島における倭系遺物を副葬する古墳被葬者の性格解明を目指し,また日本列島での副葬状況との比較検討も行い,その特質について考察することを目的とする。 平成22年度は,a. 井上主税『嶺南地方出土の倭系遺物からみた日韓交渉』(慶北大学校大学院博士学位請求論文)の中で扱った関連資料以外の新出資料の収集およびデータの整理。 b. 福岡市埋蔵文化財センターにて開催された、第59回埋蔵文化財研究集会「日本出土の朝鮮半島系土器の再検討-弥生時代を中心に-」に参加し、福岡市出土の朝鮮半島系遺物(弥生時代~古墳時代)に関する知見を深め、研究者とも意見交換をおこなった。 c. 資料調査として、金海大成洞古墳群出土品、咸安梧谷里古墳群出土品、慶州皇南大塚北墳出土品、同金冠塚出土品などの観察をおこなった。 d. 研究成果の公表として、(1)日本考古学協会第76回総会研究発表会(於国士舘大学)にて、「朝鮮半島三国時代倭系遺物を副葬する古墳の被葬者像について(1)」と題するポスターセッションをおこない、意見交換をおこなった。(2)加耶諸国を対象に、いかなる古墳に倭系遺物が副葬されているのかその特徴を指摘し、被葬者像について考察した。(「朝鮮半島三国時代倭系遺物を副葬する古墳の被葬者像について-加耶諸国の例-」『勝部明生先生喜寿記念論文集』) e. 現在、新羅中央および周辺地域における倭系遺物を副葬する古墳の被葬者像について、総合的な考察を進めている。
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