2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21720298
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
増山 篤 弘前大学, 人文学部, 准教授 (50322079)
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Keywords | 地域区分 / 等質地域 / 空間的連坦性 / 均質性 / 空間データ |
Research Abstract |
地理学研究においては、等質地域の概念にもとづいて、一つの地域を区分すること(以下、「地域区分」と呼ぶ)がしばしば行われる。そのため、これまでにも様々な地域区分方法が提案されてきたが、それらによる区分結果は、部分地域が空間的に連坦しない、あるいは、均質性の点で大局的に最適ではない、といった改善の余地を残していた。本研究代表者は、研究開始年度以前に、単変量属性を持つ空間単位の集合のグループ分けによって地域区分を行うとき、均質性の点で大局的最適なグループ分けとなるための必要条件を導いている。平成22年度には、本研究の地理学および地理情報科学上の位置づけをより明確にした上で、この必要条件に基づく地域区分方法を提案する論文をまとめ、日本地理学会の機関誌「地理学評論」に発表した。また、従来まで提案および利用されてきた(空間的連坦性を保証する)地域区分方法のうち、最短経路木(ミニマム・スパニング・ツリー)を用いる方法、および、空間的連坦性を考慮して拡張された階層的クラスター分析法(正確には、その一種)の計算機上への実装を行った。さらに、必要条件に基づく地域区分方法についても、現段階では、ごく小規模な空間データセットに対してのみ動作するものではあるが、計算機上への実装を行った。これまで動作検証した限りでは、作成された計算機プログラムに不具合は見あたらない。これにより、従来方法と研究代表者が提案する地域区分方法を比べたとき、どれが(空間的連坦性を満たした上で)最も均質性の点で最適となるか(あるいは、大局的最適となりうるか)を経験的に検証できる。平成23年度には、この経験的検証から取り組んでいく予定である。
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