2010 Fiscal Year Annual Research Report
コンド・ブームの進展とジェントリフィケーションの多様化に関する研究
Project/Area Number |
21720301
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
堤 純 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (90281766)
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Keywords | 人文地理学 / オーストラリア / 都市整備 / ジェントリフィケーション / 職住近接 |
Research Abstract |
本研究は研究期間の3年にわたり,オーストラリアを主たる事例地域とする現地調査を重視している。研究2年目の今年度は,オーストラリアのシドニーとメルボルンにおいて詳細な現地調査を実施した。 昨年度に購入したオーストラリア統計局発行の国勢調査データ「デーブル・ビルダー」(2006年実施の国勢調査)のカスタマイズ機能を活用して,大都市都心部における高層のコンドミニアムの供給にとって重要である「若年高所得層」の分布を把握を試みた。このカスタマイズ機能により,国勢調査の小統計区単位で詳細な属性の把握が可能となったが,一方で,データ量の肥大という新たな問題も発生した。これらの問題を整理した上で,今年度は,収集する属性の絞り込みとデータ量のバランスを検討した。その結果,研究業績欄に示した2件の学会発表を行い,シドニーとメルボルンの2大都市圏を対象とした分析を進めた。こうした一連の作業を通して,今年度に予定していた調査地区の選定作業はほぼ終了した。研究最終年度に当たる平成23年度に予定している詳細な現地調査に向けて見通しがついた。 また,今年度はジェントリフィケーションや都市再開発の最新事例の調査を念頭においていた。当該事例の先進都市であるニューヨークとシカゴを対象に現地調査を行った。これらの先進事例にみられた知見とオーストラリアを対象とした考察結果を対照することにより,世界の多くの大都市において近年顕著に急増している高層コンドミニアムの存立要因についての分析に着手した。
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