ヨーロッパ統合下の越境的な地域連携における新たな地域形成とガバナンスの可能性

2010 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21720305
• Research Institution: Dokkyo University
• Principal Investigator: 飯嶋 曜子 獨協大学, 外国語学部, 専任講師 (20453433)
• Keywords: ヨーロッパ統合 / 地域連携 / 国境地域 / 地域形成 / ガバナンス

Research Abstract

本研究は、国境地域における越境的な地域連携の形成と発展の過程を、実証的に分析することを通じて、新たな地域の形成メカニズムを把握し、地域ガバナンスのあり方を考察することを目的とする。平成22年度は、前年度に実施した予備的調査の結果を踏まえ、必要に応じて研究計画を修正・精緻化し、さらなる情報の収集と分析に従事した。
平成22年9月に約2週間、調査対象地域であるスイス・ドイツ・フランス国境地域のオーバーライン地域で現地調査を実施した。今回の調査では、特にバーゼル市を重点的に調査し、バーゼル大学地理学教室、北西スイス経済研究所等で現地研究者との議論の機会を得るとともに、文献・情報の収集を行った。また、バーゼル市統計局で当該地域の統計データを収集し、その解析を行った。さらに、同地域での連携の主要なプロジェクトの一つである、バイオ産業分野での連携の実態を把握するために、当該産業へのヒアリング調査も実施した。
これらの研究活動により、前年度に重点的に調査を行ったドイツ・フライブルク周辺に加えて、スイス側の国境地域の動態もより明確に把握することが可能となった。同時に、こうした作業によって研究計画の修正・精緻化も可能となり、平成23年度に予定している本調査に向けて、研究課題や論点の整理ができた。すでに今回の調査分によって明らかになった結果については、現在論文として投稿中であり、次年度中には公表する予定である。