• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2009 Fiscal Year Annual Research Report

中国における回族の宗教的・経済的ネットワークと地域社会の変容に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21720306
Research InstitutionKomazawa University

Principal Investigator

高橋 健太郎  Komazawa University, 文学部, 准教授 (30339618)

Keywords文化地理学 / 社会地理学 / 中国 / 回族 / 地域社会 / 社会ネットワーク
Research Abstract

年間を通して複数の大学図書館や書店にて当該研究課題に関する資料を収集し、フィールドワークの対象地域や調査項日を選定する基礎資料とした。そして、8月、中国青海省西寧市において資料収集と聞き取りを行なった。資料収集では、中国ムスリムの宗教文化や地域社会、社会ネットワークに関して、正規出版されている書籍および民間で発行されている書籍や雑誌を収集した。また、聞き取りでは、貧困地域である青海省農村部において回族やサラール(撒拉族)などのムスリムの教育や医療を支援している民間団体において、その成立過程や活動内容を調べた。中国ムスリムの民間レベルでの社会ネットワークが、中国の沿海部と内陸部、都市と農村との間の経済格差の緩和を図っており、貧困支援の新しい様式として研究を進める意義があることがわかった。
加えて、主にハラール・レストランの料理人や給仕、アラビア語通訳などとして、青海省から中国沿海部へ出稼ぎをしている回族の実態についても聞き取りを行ない、中国内陸部と沿海部とをつなぐ回族の商業ネットワークが形成されており、これによって人口移動が促進されていることがわかった。移住先での回族の就業形態は、イスラームの影響を強く受けた食文化やイスラーム信仰のよりどころとなるアラビア語に関連していることから、移住によって回族の宗教的・民族的アイデンティティが再確認される可能性があることが予察された。このような少数民族のアイデンティティの問題は、近年中国各地で発生している政府と少数民族の間の摩擦について理解を深めるためにも、重要な研究テーマであると考えられる。
さらに9月以降は、それまでに収集した地図や統計、書籍や雑誌などの資料を整理し、コンピューターに入力した。この作業により、当該研究課題に関する先行研究の概要を把握し、次年度以降の調査・研究の準備をすることができた。

  • Research Products

    (2 results)

All 2010

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 〔書評〕世界視野中的回族(丁克家・馬雪峰)(『世界の視野の中の回族』)2010

    • Author(s)
      高橋健太郎
    • Journal Title

      イスラーム地域研究ジャーナル 2

      Pages: 97-97

  • [Presentation] 『変わり行く四川』合評会:7・8章についての批評2010

    • Author(s)
      高橋健太郎
    • Organizer
      2010年日本地理学会春季学術大会 中国地理研究グループ研究例会
    • Place of Presentation
      法政大学市ヶ谷キャンパス外濠校舎
    • Year and Date
      2010-03-28

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi