2012 Fiscal Year Annual Research Report
中国における回族の宗教的・経済的ネットワークと地域社会の変容に関する研究
Project/Area Number |
21720306
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
高橋 健太郎 駒澤大学, 文学部, 准教授 (30339618)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 人文地理学 / 中国 / 回族 / 社会ネットワーク / 地域社会 |
Research Abstract |
平成24年度、本研究においては、年間を通して、(1)大学図書館や書店、データベースなどにおいて中国の地域変容や少数民族社会などに関する文献や統計、地図資料の収集、および(2)収集資料の整理と分析、考察を進めた。これらの結果、中国の「西部開発」によって西部地区においては高速道路や鉄道などのインフラストラクチャーの整備が進み、建設業や製造業、小売業などの産業が成長し住民所得も増加したが、東部沿海部と西部内陸部、および都市部と農村部の間の経済格差、生活格差は依然として大きく、出稼ぎ労働のための西部地区から東部地区への人口移動が増加しており、回族もその例外ではないことがわかった。そして、このような人口移動は、移住元と移住先を結ぶ回族の社会ネットワークの形成に寄与していることが予察された。 そのため、平成24年8~9月に中国東北地区を訪問して聞き取りと資料収集を行なった。フィールドワークでは、回族地域社会やモスク、市場などにおいて、回族をはじめとするムスリムの他地域からの転入および東北地区から他地域への転出について、そしてそれらにともなう地域社会の変容と社会ネットワークの形成について調べた。 その結果、回族においては西部地区から東部地区への人口移動のみでなく、イスラーム知識を学ぶために東部地区から西部地区への移動もあること、およびイスラームや民族文化に関する民間の刊行物やインターネット、SNSなどを介して知識や情報のネットワークも強化されていることがわかった。このような回族の社会ネットワークの強化と、人、もの、情報などの移動の活性化は、回族というマイノリティが中国で生存し利益を獲得してゆくことに寄与していると考えられる。さらに、平成24年度は研究成果の公表に努め、日本地理学会春季学術大会で口頭発表するとともに、『中国のムスリムを知るための60章』という図書の編集と分担執筆をした。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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